志賀島万葉歌碑

10号歌碑
「志賀の海人は 藻刈(めか)り塩焼き いとまなみ 髪梳(あづり)の小櫛 取りも見なくに」(巻3・278)
歌意は《毎日激しい生業に携わって働き暮らす志賀の海人のなりふりを構う暇もない身の上を思いやった歌で、作者は石川少郎(君子・きみこ)である。直子の歌で問題なのは、その第四旬の「髪梳乃小櫛」の読み方で、人によっては異説があるかもしれないが、ここでは碑面の通りよむことにした。
綿津見(わたつみ)の神への信仰をよりどころとして、古代に生きた島人の姿はこのように詠われたが、集中、志賀というこの島の名を詠み入れた歌は二十首を越えており、まさに志賀島は「万葉の島」と言うにふさわしいところである。なお碑後のタブの木の茂みにおおわれた杜(もり)は、志賀海神社の中津宮であり、浅瀬の向うの小島の上の杜は沖津宮である》
揮亳:デザイナーの松岡誠造
場所:福岡市東区大字勝馬1786 福岡市立勝馬小学校西側の海岸沿い

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志賀島万葉歌碑10号

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