木造大日如来坐像
この大日堂の本尊である木造大日如来坐像は、総高130.5cm、像高80.8cmをはかる檜材の寄木造りです。肉身部と衣は前面だけ漆箔を施し、背面は漆仕上げとしています。衣文は浅い線で、前面に表されています。仏像の頭から体部を一材で造る大胆・素朴で古風な構造と技法は、この作者が地元の仏師であったことをうかがわせます。
脇山の地は、鎌倉時代から脊振山上宮東門寺の別院跡と密接な関係があり、この仏像については、天文7年(1538)に脇山・内野・小笠木の有力農民層、脊振山東門寺とその僧侶たち、大内氏に仕えた早良郡代等が、現世の無事と極楽往生を願って造ったものであることが、江戸時代の地誌類に紹介されています。
この仏像は、室町時代後期この地域で造られ、政治・経済・信仰を結び付ける役割を担った貴重な文化財です。
案内板より
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